プリンターで、黒しか印刷しないのにどうして全色減る?

canon_ink

こんにちは、バイパス店の藤井です。ここ数日急に寒くなり、11月らしい気候になってきましたね。この時期になると店頭にも年賀状関係のソフトや書籍が色々と並び、年末らしい雰囲気になってきます。

さてこの時期、お客様からよくあるご質問について、ご紹介させて頂きます。

『プリンターで、黒しか印刷しないのにどうして全色減る?』

インクジェットプリンターをお使いでしたら、一度は疑問に思ったことはないでしょうか?
たとえば、他にも

「黒だけの印刷なのに、カラーインクが無くなると印刷が止まってしまう」

などよく頂くご質問ですが、これには主に2つの原因があります。

原因1
インクジェットプリンターは、液体インクを使う構造上、使わないとインクが固まり ノズルが詰まってしまうというという問題を抱えています。このためプリンター本体には、少量のインクを捨てることで、インクノズルの洗浄を行う、クリーニング機能が搭載されています。このクリーニング機能は、印刷品質を保つため、電源を入れたときや印刷を始める前に自動で作動します。

1回のクリーニングで消費されるインク量は、少ないのですが、「塵も積もれば 山となる」と言われるように、何度も繰り返すことで、だんだんと減っていきます。

原因2
インクジェットプリンターでは、黒文字だけ印刷する際も、印刷品質を上げる為に、カラーインクも混ぜて印刷されます。一部機種で「モノクロ印字」の設定ができる機種なら消費量は減りますが、上記の自動クリーニングは、毎回作動するので徐々にカラーインクも消費されていきます。

ということで、インクジェットプリンターは、液体インクを使う構造上、絶対にカラーインクも消費される仕組みになっています。

では、少しでもインクの消費を減らすには、どうすればいいのでしょうか?

印刷品質を下げたり、色を薄くするなど色々方法はありますが、重要なのは次の3つです。

①「プリンターを使用するとき以外は、電源を入れない」

②「定期的にプリンタを動かす」

③「インク交換は、インク切れで印刷が停止してから行う」

この中で特に重要なのが「定期的にプリンタを動かす」です。インクジェットプリンターは、使用しない期間が1ヶ月など大きく空いてしまうと、インクが固まってノズルが目詰まりし、印字がかすれてしまう恐れがあります。

軽い目詰まりであれば、手動でヘッドクリーニング操作を行うことで回復します。しかし、この手動クリーニングすると、大量のインクを消費します。1回実行すれば、300~500円分ぐらいはインクを捨てることになり、 数回繰り返せば、見る間にインクゲージが減っていきます。

そして、目詰まりの症状が酷くクリーニングで回復しない場合は、メーカー修理となります。ただ、メーカー修理は高額で、修理代が1万円を超えます。それだけ修理費を出すのであれば、最初からインクが付いている新品プリンターに買い替えた方が安くなります。

もともと個人向けのプリンターは、後の消耗品で儲ける仕組みになっています。プリンタメーカーは、本体を赤字で販売しているため、「修理するより買換」という話になります。毎年この時期になると、年に1~2回しか使われずに故障される方がいらっしゃるのですが、買換のご案内をするのは、販売する私たちとしても心苦しいです。

使わないと駄目になってしまうのが、インクジェットプリンタです。維持管理する手間と維持費(インク代)は、どうしても掛かります。クリーニングで大量にインクを捨てるより、月に数ページでも印刷するか、電源を入れて少し動かすだけで違うので、月に何度かは動かして頂ければと思います。

「維持管理が大変」という方には、プリントヘッドとインクタンクが一体構造になった機種もあります。インク代は少し高くなりますが、メーカー修理に出さずに部品交換できますので、お気軽にご相談ください。