インクジェットプリンターの長所と短所から選ぶ理由を考える

CMYK年賀状の時期も過ぎ去り、しばらくプリンターを使っていない方も
いるのではないでしょうか!?
たまにはプリンターの事を思い出してあげてください!
先日『レーザープリンターのいいところ』という記事が作成されましたので
こちらではインクジェットプリンターを紹介させて頂きます。

インクジェットプリンター4つの優位性

・色の再現性が高い
インクジェットプリンターはインクを直接紙に噴きつけるので
解像度が高く色の再現性が高いので写真などの印刷に適しています。

インクジェットは直接描く絵画、転写するレーザープリンターは版画と考えてもらえば
イメージしやすいかもしれません。

絵画のレプリカなどはインクジェットプリンターを使用して作成される事があります。
また2016年に開催された「デトロイト美術館展」ではインクジェットの技術を応用した
立体複製画制作技術をRICOHが提供していました。
☆立体複製画制作技術を開発~リコーのインクジェット技術を応用し、筆のタッチまで再現~(リコーHP)

筆のタッチや立体感まで再現できる産業用は流石にモノが違うとはいえ
家庭用においても色の再現性を求めるのなら
インクジェットが適していると言えるでしょう。

・導入コストを低く抑えられる
グレードの違いによって値段は大きく変わりますが
ただ単に印刷できれば何でもいいというのであれば
本体価格が安い機種もあるので導入コストを抑えることができます。
安い複合機を買えばスキャナ機能も使用可能です。

※写真高画質用プリンターは高額です。

・消費電力が低い
インクジェットはレーザープリンターに比べて消費電力が低いのが特徴です。
例えばCanonのTS8230をUSB接続して使用した場合であれば
コピー時:約16W
待機時:約1.1W

カラーレーザープリンターは物によって消費電力は違いますが
動作時平均500W、800Wも珍しくありません。
待機時の電力はレーザープリンターのスリープ設定などで抑える事ができますが
動作時の消費電力は圧倒的にレーザーの方が高くなります。

・本体サイズが小さい
レーザープリンターも単体では昔に比べて小型化してきましたが
スキャナ付き複合機を置きたいと考えた場合
インクジェットプリンターの方が省スペースで設置できます。

インクジェットプリンターのデメリット

もちろんインクジェットプリンターもいいところばかりではありません。
デメリットを把握した上で、自分の用途に合うかどうか判断する必要があります。

・印刷速度が遅い
レーザープリンターに比べてウォームアップタイムは短いですが
ヘッドを左右に動かして印刷するため
単純な印刷速度はレーザーに比べて遅いです。

・普通紙に印刷すると色が滲む
水溶性の染料インクは耐水性が低く、水に濡れると滲みます。
写真用紙に印刷するほどではないけれど、普通紙に写真印刷がしたいという場合
印刷してみたら紙繊維にインクの水分が大量に吸収されヨレヨレ
水分が蒸発して収縮し、紙がしわしわになったりした経験はありませんか?

インクジェットは色の再現性が高く、写真印刷などに適していますが
普通紙に対してはインクと紙の性質から向いているとは言い難いです。
インクジェットで綺麗に印刷する場合は、紙も目的に合った物を使用しましょう。

・印刷枚数が多いとコスト効率が悪くなる
本体価格が安く、消費電力が少ないインクジェットですが
大量に印刷をすると、インクカードリッジが小さいので交換頻度が高くなります。
例え印刷をしなくてもヘッドの乾燥を防ぐ為に、インクを消費する必要があるので
使わないから大丈夫ではなく、使わないとヘッドが詰まる可能性があるので注意しましょう。

・最大積載枚数がレーザープリンターより少ない機種が多い
例えばCanonのインクジェットTS8230は最大積載枚数が100枚となっていますが
レーザープリンターは200枚300枚は可能な機種が多いです。
また500枚以上入る増設オプションなども用意されている事もあります。

インクジェットを選ぶ4つの理由

  • 導入コストを抑えたい
  • 色の再現性を重視したい
  • 少数の写真やイラスト、ポスターを印刷したい
  • 消費電力は低い方が良い

このような環境ではインクジェットの方が適していると言えます。。
大量に印刷する、スピード重視、印字耐久が欲しい方はレーザープリンターの方が適していそうです。

家庭用でインクジェットが主流なのは、特に色や写真に拘りはなくても
使用頻度や導入コスト面、そして複合機を省スペースで置けるからかもしれません。

オフィスだからレーザープリンター、家庭だからインクジェットプリンター
無意識に定義付けてしまう場合もあるかもしれませんが
今やメーカーの企業努力で昔ながら認識を越えて
オフィスでビジネス用インクジェット、家庭でレーザーといった導入の選択肢もあります。

インクジェットとレーザーのそれぞれが持つ強みの違いを理解し
利用シーンを考えて、目的に合ったプリンターを選択する事が大切です。