巧妙化するインターネット広告の罠
今年は年明けからウイルスに感染した表示が出た
ということで多くの方が相談に来られました。
電話してしまった方もいますが
コンビニに行く時に怪しいと思って警察に相談に行った方
コンビニまで行って店員さんから止められた方もいました。
本来なら電話して遠隔操作を許可した状態で外に出るのは危険です
パソコン内の情報が自由に見放題触り放題になってしまいますから
何をどう見られているかわかりません。
それらを悪用される可能性があるので
遠隔操作中に外出してしまった方には
パソコンに保存されている銀行や証券会社、ショッピングサイト
漏洩した可能性のあるパスワードを変更してもらうようにお願いしています。
詐欺がアップルカードを要求する理由
マッチポンプですがサポートによって解決した後は料金を請求されます。
まずネットバンクの支払いができるか聞かれます。
ネットバンクで支払いをしない方はコンビニのアップルカードで払うように言われます。
しかし、コンビニで高齢の方がアップルカードを買うのは詐欺被害を疑われやすいです。
アップルカード何万円を何度も買うのは
スマホゲームの課金をしている人くらいです。
店員が詐欺被害者じゃないか?と思った時には
何にアップルカードを使われるか聞く場合があります。
詐欺師たちはそこで止められないようにしたいので
被害者にあらかじめ伝えている言葉があります
次は実際のやりとりで使われた文章を紹介します。
APPLE CARD(アップルカード)
16セキュリティコード=
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APPLE CARD(アップルカード)カードはパソコンの使うために買うと30%税金がかかります。
でもそのカードは自分の使うために買うと税金がかからないです。
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友人のプレゼント,子どものゲームのために買うと税金がかかりません。
詐欺師たちはアップルカードをパソコンの為に買うと30%税金がかかると言ってきます。
しかし自分のためや子どもへのプレゼントのためなら税金がかからないと言ってきます。
騙された人がコンビニ店員にアップルカード何に使うんですかと聞かれて
正直にパソコンがウイルスに感染して~って言うと詐欺だと止められるので
アップルカードは自分で使いますとかプレゼント用ですと言えば
コンビニ店員もそれ以上詮索して来ないだろうと詐欺師たちは考えたわけです。
仮に被害者が30%の税金が怪しいと思って調べても
アップル税と呼ばれる30%の手数料について記事が出てくるので
詐欺師の言ってることが本当だと思ってしまうかもしれません。
詐欺師は消費者が30%の税金を払う必要があるように誤解しやすい情報を流し
パソコンのために買うと30%の税金がかかると思わせます。
アップル税を回避する為に自分用かプレゼント用だと答えさせる作戦です。
さすがに店員も自分で使うとかプレゼントだと言われると
詐欺かなと思っても詐欺ですよとは言えません。
騙された人が何度もアップルカードを買いに来て
ようやく詐欺じゃないですかと言い出せる状況になります。
ですがその時には既に何万、何十万も詐欺師たちにお金を騙し取られた後になるでしょう。
巧妙なサポート詐欺への落とし穴
サポート詐欺はどこから引っかかってしまうのか
今回は実際にどういう場面で引っかかったかの1例をご紹介します。
ある方は病院を探してインターネットを検索していました。
◯◯病院などと検索するとその中には病院の口コミサイトもあります。
今回の方はcalooという病院口コミサイトからでした。
calloo徳島市の病院口コミページから引用
※広告部分は再現イメージです。実際の広告はオンライン広告となり見る人によって広告内容が異なります。
実際に本物の詐欺広告と出会うのは難しいので
広告部分に関しては再現としてのイメージ画像になりますが
今回サポート詐欺と出会ったお客様は
「開く」ボタン風の画像が表示されておりました。
もちろんお客様は病院のサイトに飛べると思ってクリックしたのですが
それは単なる「開く」ボタン風の文字画像を表示しただけの広告だったので
詐欺師たちの思惑通りサポート詐欺のページに飛ばされてしまったのです。
これは本当に巧妙だと関心しました。
この手のサイトで開くボタンがあれば
その情報を深堀りできると考えやすいです。
口コミサイトですから病院の公式ページに行けるだろうと思います。
オンライン広告という概念を知らなければ避けにくいかもしれません。
これは十分に理解して頂きたいのですが
calooは詐欺の偽サイトではありません。
サポート詐欺にまったく関与していない一般会社のサイトです。
そこだけはお間違いのなきように。
このオンライン広告の概念を理解できれば
詐欺の犯罪組織がなぜウイルスをばら撒くのではなく
広告を出して詐欺に引っかかってくれる人を探しているのか理解できます。
今回もあくまでもサイトに掲載されているランダムな広告の中に
悪意ある詐欺師たちが出資した広告が表示されただけです。
普通のサイトにある広告にまぎれているからこそ
多くの方が普通にインターネットをしているだけで被害にあうのです。
calooもAds by googleなどからのオンライン広告を掲載しているだけで
実際にどの広告が表示されるかには関与していません。
本来はgoogleなど広告掲載の親元が
審査をしっかりしないといけないのですが
広告も膨大な数があるので難しいのでしょう。
他にはbingなどの検索エンジンで表示される検索結果にも
詐欺師たちが広告を出して上に表示されるようにしている事もあるので注意が必要です。
今回はお客様が詐欺に遭遇した場所がたまたまcalooでしたが
Yahooニュースをはじめ一般的なニュースサイトにも
真っ当な広告から詐欺へ飛ばされる悪質なものが入り混じっています。
年末年始など多くの人がインターネットで検索する時こそ
詐欺師たちも広告の出し時と狙っています。
昔ならパソコンで架空請求に出会う場所と言えば
海外のサイトであるとかアダルトなサイトが主流でしたが
今やニュースや口コミサイトでも詐欺の誘導に出会う可能性がある場所になりました。
アダルトサイトなどは色々とクリックする方もいるので
少し踏み込んだ仕掛けをパソコンにされることもありますが
一般的なサイトの広告から出会うサポート詐欺に関しては
単にエラーや感染した脅しのサイトに誘導される突発的な物なので
電話さえしなければ被害は最小限に抑えられます。
長文のブログをここまでご覧になられる方であれば
情報収集能力が非常に高い方ですから
詐欺に出会っても術中にハマらず回避できると思われます。
ここで改めてウイルスに感染したなどと驚かせて
サポートに電話を促してくる電話番号には
電話をかけないようにお願い申し上げます。