SSDの寿命とは?SSDのメリットとバックアップをオススメする理由

最近ではSSDの価格も下がり
HDDからSSDへと交換する方が多くなりました。

パソコンの動作が遅い!と思ったのであれば
解決策としてSSDへ交換をオススメする事も多く
速くなったと体感でわかって頂けるほどです。

何故HDDは遅いのか?

HDDに比べてSSDが速い理由はその動作原理にあります。

HDD

HDDはレコードと針の関係に近いです。
プラッターと呼ばれる円盤にデータが記録されています。
ただ、針が溝をなぞるレコードとの違いは
高速回転している円盤から少し浮いた磁気ヘッドが磁気データを読み取る点です。

ヘッドが回転する円盤からデータを読み取るため
データが書き込まれている地点にヘッドを移動させる時間が必要になり
更にヘッドに円盤の記録場所が回ってくる回転時間が必要となります。
そのため半導体デバイスに比べるとHDDは遅く感じます。

HDDが振動に弱いと言われるワケ

HDDの仕組みはレコードに似ていると言っても
レコードと違いHDDのヘッドと円盤は接触しません。
ヘッドはタバコの煙の粒子すら入り込めないほどの間隔で浮上しています。

ヘッドとプラッター

動作中のHDDが振動に弱いと言われるのも、振動によって
浮上しているヘッドが円盤に接触して傷を付けてしまう可能性があるからです。

極端な環境で言えばエベレストの頂上では気圧の関係でヘッドが浮きません。
円盤にヘッドが接触したまま動作させれば、HDDがクラッシュする危険性があります。
そのため2002年に行われた市販のPC(ThinkPad X23)をエベレストに持って登頂した挑戦でも
HDDだけは低気圧でも動作するように手を加えられた物が採用されていました。

何故SSDは速いのか?

SSDはフラッシュメモリを採用した記録装置です。
HDDと違いSSDは円盤やヘッドといった可動部を持ちません。
円盤やヘッドが所定の位置に来るのを待つ時間がなく
電気的にデータの読み込みを行うので処理が速くなります。
ssd(intel)

可動する部品を持たない強み

SSDに高速回転させる円盤がないということは
プラッターとヘッドの待ち時間がなくなります。
それを動かすモーターも必要としません。
可動部がナイことが生む5つのメリットがこちらになります。

1.データアクセスが速い。

2.消費電力を低くできる。

3.軽量化できる。

4.部品の動作音がなくなり静音化。

5.ヘッドが接触する心配をしなくていい。

持ち運びをするノートパソコンなら特に恩恵を感じられるメリットが盛りだくさんです。
もちろんデスクトップで速さ、消費電力、静音化などを求める場合にも必須です。

SSDは壊れるのか?

可動部が多いHDDはそれだけ部品の故障を引き起こしやすくなります。
では可動部がないSSDは壊れないのでしょうか?

結論から言えばSSDも当然壊れます。
フラッシュメモリの書き込み回数には限度があり
いつかは使えなくなってしまいます。

SSDにはウェアレベリング技術が使われています。
その技術によって書き換え回数の均等化を行い
特定のセルだけ消耗する事を回避して全体の寿命を延ばしています。

ウェアレベリングはSSD内部のコントローラが処理してくれるので
ユーザーは特に意識する必要はありません。

SSDの寿命はどれくらい?

寿命で言えばTBWという目安をメーカーが公表している事があります。
TBWとは書き込めるデータ量を表します。

crucaial SSD
例えばこちらの120GBのSSD「CT120BX500SSD1」
メーカーのデータシートで製品寿命(※MTTF)は150万時間(171年!?)
耐久性としてTBWは総書き込みバイト数40TBと記されています。
TBWは240GB、480GBとSSDの容量が大きくなると総書き込みバイト数も増えます。

※MTTFとは稼働時間を故障件数で割った平均故障時間。
ここに信頼度の関係も考えて計算すると、約63%はMTTFを迎えるまでに故障する可能性があるという。
つまり製品寿命は必ず150万時間動くものではありません。

少々、脱線しましたがTBWについて見ていきます。
データシート

「CT120BX500SSD1」40TBまで書き込める目安となります。
1日21GB書き込んで5年は使えるだろうとメーカーは想定しています。
もし1日に半分の10GBしか書き込まない人なら
理論上は10年という事になります。

しかしSSDにも経年劣化による寿命が必ずあります。
SSDにおいては酸化膜の劣化が寿命と考えても良いかもしれません。(酸化膜は書き込みや消去時に電子が通過するトンネル)
先ほどのCT120BX500SSD1で1日5GBしか書き込まないと仮定すれば
10年以上使えると考えてしまうかもしれませんが
酸化膜の劣化を考慮すれば、10年以上使わずSSDを買い替えた方が良いでしょう。
万が一データが飛ぶ事を考えれば、劣化したパーツを使い続けるのは大きなリスクになります。

色々と書きましたが、HDDも電源ユニットもマザーボードもどんな部品も経年劣化はします。
劣化はSSDだけの問題ではありません。

バックアップの重要性を理解しよう

ここまで読んでSSDを使用するのが怖くなった方もいるでしょうか?
もしSSDは怖いからやめようかなと思ったのならば、それは勿体ないです。

一度SSDの速さを体感してしまえば、もうHDDの遅さには戻れなくなります。
SSDの速さとは、それほどに魅力的な物なのです。

そんなSSDと上手に付き合う為の秘訣を一つだけ言うなら

バックアップを取るべし!!

です。

SSDでもHDDでもデータのバックアップをしないで使用するのは危険です。

機械的故障であればメーカー保証などで直るかもしれませんが
故障が直るのは機械だけです。壊れたデータは戻ってきません。
データに保険は掛かっていないと考えて下さい。

SSDでもHDDでもデータのバックアップを取る必要がありますが
特にSSDでバックアップを心掛けて欲しい理由には次の2点があります。

1.データの復旧が非常に困難
壊れ方によっては業者にいくらお金を積んでも無理です。
HDDでも故障の度合いによってデータが取れない場合もありますが
SSDの場合は障害が起きたら
データはもう取れないくらいに思っておいた方が良いです。

2.故障の前兆がわかりにくい
SSDは徐々に故障していく壊れ方より
ある日、突然データが飛ぶ壊れ方をする可能性があります。
調子が悪くなったからバックアップを取ろうと思う余裕もないかもしれません。

消えて困るデータは必ず2カ所以上に分散して保存する事。
これはHDDでも同じです。
データを一カ所しか保存していないのはリスクが大きすぎます。
バックアップも一度取ったら終わりではなく
定期的にバックアップする事が望ましいです。

バックアップの方法

バックアップの簡単な方法としては外付けHDDなどにコピーする事です。
ジョイメイトでは外付けHDDを購入して頂くと
バックアップソフトのインストール等させて頂いております。

SSDへの交換作業、データのバックアップなど
いつでも遠慮無くご相談下さい。