バッテリーが膨らんできたら

バッテリーが膨らんできたら、ご使用をお控えになって、交換を推奨いたします。


リチウムイオンバッテリー(充電池)において注意すべきことがあります。
リチウムイオン充電池のリサイクルマークまず初めに、リチウムイオンバッテリーは、普通に(充電して)使用している場合でも、化学反応により材料の劣化とともに容器内部に僅かずつながらもガスが発生して溜まります。
なので、設定された製品サイクルで想定されるガスの発生量に応じてあらかじめ容器の容量に安全マージンが設けられていることが多いとのことです。

しかしながら、私たちが正常な使用範囲と思いながら使っているにも関わらず、想定外のガスが発生して容器が過剰に膨張するケースが見受けられます。
いわゆるバッテリーがパンパンに膨らんだとゆーヤツです。

主な要因が、高温状態での使用過充電過放電だそうです。

高温状態での使用については、例えば真夏の炎天下での使用などは想像に難くありませんが、充電しながらの使用も注意が必要です。
一般的に、電子機器を使用すると内部の回路等が発熱します。

もっとも、高温状態での使用自体が既に正常な使用範囲ではない場合もあると思います…。
製品の仕様書などに記載されていることがあります。
例)NECのノートパソコンの場合 温湿度条件:5~35℃、20~80%(ただし結露しないこと)

それでは、

過充電とは

充電の容量が100%に達してからも、さらに充電を続けてしまうことです。
過充電の状態になると、材料の想定外の分解が進み、通常の材料の化学反応とは異なるガスも発生してしまうそうです。
当然ながら、材料の劣化が早くなります。

通常は、過充電になる前に充電を止めるようにする制御回路が組み込まれていることになっていますが、その制御回路の性能や材料の品質などによって期待通りの動作に至らない可能性もあるとのことです。
メーカーが純正バッテリーを推奨する理由でもあるそうです。

実際に、筆者が何年か前に使っていたスマホが3年くらい経った頃にバッテリーの持ちがだいぶ悪くなってきて、よく見ると背面側に若干の隙間が見えて…(続きはコチラ

その一方で、

過放電とは

充電の表示が0%に達してからも、さらに放電を続けてしまうことです。

そもそも電池は、使用しなくても僅かずつ放電していきます。このことを自己放電と言います。
充電池も例外ではなく種類によって多かれ少なかれ自己放電は起こります。

充電が0%になったあとも自己放電は続きますので、残念ながら過放電は起こりえます。

過放電が進むと、進み過ぎた化学反応により、電極に使われている材料が溶けて大量のガスが発生するとのことです。
しかも電極が溶けるわけですから、最終的に無くなって、二度と充電できなくなります

長期在庫の純正バッテリーが新品なのに全く充電できない現象がコレだと考えられます。
ネット通販で純正バッテリーの在庫販売してても、その機種の製造終了から5年以上経過していたりすると要注意です。
店側が詳しくない場合があるので故意ではないにしろ、いわゆるつかまされることになります。
XPが全盛期だった大昔に、弊社でもNECノートパソコンの純正バッテリーを何種類か在庫していた頃がありましたが、この新品なのに全く充電できない現象に実際に遭遇して以来、バッテリーを在庫しなくなった過去があります。
※最新モデルはスマホよろしくバッテリーは本体を分解しないと取り出せない機種が主流ですね。

リチウムイオンバッテリーを使用している機器を長持ちさせたい場合は、充電が0%のまま長期間放置せず、適宜充電してあげましょう。


ところで、このようにしてパンパンに膨らんでしまった電池は、その見た目自体が今にも爆発しそうでめっちゃヤバそうに見えますが、高温多湿を避けて使用せずに置いておく分には、いきなり爆発する可能性は低いと考えられているそうです。

なお、充電池の処分はお住いの自治体の指示に従って正しく処分しましょう。
一般のゴミに出すと事件になる恐れもあります。
電池ではありませんが、スプレー缶を適切に処理していない輩のために、ごみ収集車が炎上する事件が発生して話題になったことも記憶に新しいのではないでしょうか。

リチウムイオンバッテリーの劣化メカニズムや発生したガス量とその組成などについての研究報告書があります。
電力中央研究所 報告書番号 T99040


筆者の体験談

実際に、筆者が何年か前に使っていたスマホが3年くらい経った頃にバッテリーの持ちがだいぶ悪くなってきて、よく見ると背面側に若干の隙間が見えてきたので、某スマホ修理ショップとやらでバッテリー交換をしてもらいました。膨らんだバッテリーが隙間を発生させた図どうせおもちゃとしてサブ機にするつもりだったので、amazonで互換バッテリーを買って自分で交換しても良かったのですが、強力な両面テープで張り付けられている背面カバーをドライヤーなどで温めつつ、樹脂製のヘラと吸盤などを利用して開けるというのが非常に面倒だったのでお願いしたのですが、本体背面のガラス素材に見たこともない傷(マイナスドライバーでこじ開けたのでしょう)が追加されて返却されたので後悔したものでした。

交換されたバッテリーは、分かっていつつも一応お店の方に聞いたところ、やっぱり互換バッテリーとのことでした。

そのバッテリーは半年も経たずに、最初についていた純正バッテリーよりも膨張して、苦労することなく背面のカバーが開けられるほど、それこそパンパンになってました。
苦労することなく背面のカバーが開けられるほどと言うより、もう開いてました。
保護カバーを付けてたので開いてなかっただけです。
今思えば、新しい両面テープを使用したのかも怪しいところです。

と言うか保護カバーをも押しのける勢いで、若干どころかはっきりと隙間が見えてました。
それはもう交換前の若干の隙間で我慢してた方がマシだと思えるほどで、筆者の懐具合では勉強代としては安くなかったです。