多種多様なノートPC用インテルCPUの見分け方まとめ
第9世代やCore i9まで登場しているIntel CPU。
2019年4月にIntelはノートPC向けの第9世代を発表しました。
そのどれもがアルファベットのHが付くHシリーズでした。
さて、このHシリーズはどんなCPUかおわかりでしょうか?
他にもCPUにはUやらYやら色々な種類があります。
もしかすると今まで気にしたことがなかった方もいるかもしれません。
ここでは簡単にブランド、グレード、世代、シリーズについて説明してみたいと思います。
CPUのブランドとグレードとは?
ブランドはCore iやCeleron、Pentium、ATOMなどに当たります。
Core iの中には更に9,7,5,3とグレードが細かく分けられます。
Core i9=クリエイター向けで性能が非常に高い
Core i7=ハイエンド向けで性能が高い
Core i5=ミドルクラス向けで性能が高い
Core i3=ミドルクラス向けの一般的な性能
Pentium=低価格向けで性能はやや低め
Celeron=ローエンド向けで性能は低め
ATOM=タブレット向けで性能は低い
大まかな区分はこんな感じです。
ただ比べる世代やシリーズによって評価は変わってきます。
基本的には古い世代より新しい世代の方が性能が良いです。
最近の物によってはi3で4コア化していたり、i5で6コア化している製品もあり
古いi5やi7より最新のi3やi5の方が性能が高いという下克上も当然あり得ます。
CPUの世代とは?
ブランドとグレードの後に来る数字が世代を表します。
例えばCore i7 9700Kは第9世代
Core i7 8700Kは第8世代という感じです。
数字が大きい方が世代が新しくなります。
ただしCeleronなどは型番から世代がわかりにくいです。
ローエンドノートPCに搭載されているCeleron N4000であれば
型番から見れば第4世代に思うかもしれませんが
N4000はGemini Lake世代と言います。
マイクロアーキテクチャで言えば第6世代です。
興味がなければ開発コード世代は詳しく覚える必要はないと思います。
単純に3000より4000の方が新しい世代くらいの認識で良いでしょう。
ノートPC用CPUのシリーズについて
Core i7-8750HとCore i7-8550Uなど
末端にあるアルファベットがシリーズを表します。
このアルファベットは複数の種類があります。
HK,H,HQ,G,U,Y,M,N,Jなど。
かつてHQは高性能な4コアCPUを表しており、HよりHQの方がランクが上みたいな時がありましたが
今ではHに6コアCPUがあったりするので、わざわざ4コアを表すQuadのQを付ける事がなくなりました。
このように旧世代でしか使わない表記もあります。
そして一般的なメーカーのカタログだけで見ると
使われているアルファベットの種類はそう多くありません。
ですので、よく使われるアルファベットだけを紹介します。
例えばNECの2019年春カタログに搭載されているCPUのアルファベットは3つ。
Core i7-9750H
Core i7-8550U
Core i5-8200Y
末端に付いているアルファベットに「H」と「U」と「Y」の3種類あります
中でもi5やi7に「U」が付いてるCPUを採用している製品が一番多いです。
Hはオーバークロックができない高性能なCPUです。(オーバークロック可はHにKが付くHK)
ノートPCだと冷却性能はメーカー設計から弄る事はないので
オーバークロックできなくても問題はないはずです。
Uは省電力と性能をバランスよく調整した一般的なノートPC向けのCPUです。
YはUよりも更に超省電力仕様です。
熱設計電力のTDPはわずか5Wでファンレスも可能ですが性能は抑えられてます。
NECのカタログに載っているラインナップだけで見ると(NEC2019年春モデルカタログの時点では)
一体型デスクトップもノートPC用の「U」が付いたCPUを採用していますから
カタログに載っている一般的なPCのCPU性能は
ほとんどがノートPCクラスという事になります。
この2019春カタログにあるノートと一体型デスクに搭載されているi7を見てみると
それぞれi7-8550U、i7-8565Uと、世代で言えば同じ第8世代のCPUを搭載していますが
ノートPCには2017年に発表されたKaby Lake Refreshを採用し
一体型PCには2018年に発表されたWhiskey Lakeを採用している違いがあります。
このため一体型の方がターボブースト時の周波数はノートPCより高い
と言えるように製品化されています。
ちなみにUなどが付かない本当のデスクトップ向けCPUと比較すると
デスクトップ向けCPUの方が消費電力が高い分
ノートPC向けのCPUより性能が高い事が多いです。
まとめ
基本的にはブランドが上になるほど良く
新しい世代のCPUの方が性能が高くなっていきます。
そして同じブランド、同じ世代で考えた時に大事なのがシリーズです。
例えばブランドと世代が同じCore i5があったとしても
「U」が付くi5と「Y」が付くi5では性能が変わってきます。
i5-8250Uとi5-8200Yで見るとどちらも同じi5に見えますが
超省電力であるYの方がコアが少なく性能が低いです。
じゃあYは超省電力だから性能を犠牲にしているのかと言えば
格下のCeleron N4000クラスと比べると、周波数やスレッド数の多い
i5-8200Yの方が性能は上になります。
CPUを選ぶ時はブランド、グレード、世代、シリーズを把握し
使用目的にあったCPUが搭載されたPCを購入することが重要となります。
発表された第9世代のノートPCはどうなる?
冒頭にも言いましたがIntelは4月にノートPC向けの第9世代を発表しました。
その時に発表されたのは高性能なHシリーズばかりです。
最上位のCore i9-9980HKは最大5GHzに達するノートPC離れしたスペックです。
仮に搭載されたらゲーミングノートPCなどの性能は上がるかもしれませんが、冷却はどうなるのか気になります。
今のところ発表された第9世代CPUは
NECのカタログなどに載るラインナップにはあまり関係なさそうです。
現状でも最上級のノートPCにHシリーズが1種類あるだけですので(NEC2019年春モデルカタログ時)
一般向けノートPCはまだまだUが主流と思われます。