繰り返すメール送信の小技 mailto
定期的に、同じ相手に、同じ文面の電子メールを送信しなければならない方などに、毎度の手間を減らせるかもしれないニッチな小枝を紹介いたします。
例えば定期報告書などの送信に。
この小技は「Microsoft Officeシリーズの Outlook」や「Mozilla Thunderbird」のようなメールソフトをお使いの場合に有効です。
※インターネットブラウザ上で利用するWebメールではお使いにはなれません。
なお、既定のメールアプリに登録されているメールソフトで機能します。
前説
まずはじめに、今回紹介する小技の元になるのは、
Webサイト(ホームページ)制作において、メール送信のためのハイパーリンクの記述方法です。
Webサイトの訪問者がリンクをクリックすると、予め設定された宛先のメールアドレスや件名などが記載された状態で、メールソフトの新規メール画面を起動させるためのものでした。
ホームページ作成の手引きを紹介するWebサイトなどでは、一般的にメールアドレスだけ指定する場合のものが紹介されています。
<a href=”mailto:[宛先のメールアドレス]”>リンクテキスト</a>
※以降はHREF要素の中身(mailto)についてのみ記載します。
筆者が知り得たmailtoで指定できる項目は次の通りで、いわゆるメールソフトでメールを送信する際に記入する一般的な項目が含まれます。
[宛先のメールアドレス]
[CCのメールアドレス]
[BCCのメールアドレス]
[件名]
[本文]
※CC、BCCについては本稿では説明いたしません。
5つの項目すべてをmailtoで記入する場合は、
mailto:[宛先のメールアドレス]?cc=[CCのメールアドレス]&bcc=[BCCのメールアドレス]&subject=[件名]&body=[本文]
※色付きの部分と、少なくともメールアドレスについては半角英数字で記述しなければなりません。
メールアドレスが複数の場合は ,(カンマ)で区切ります。
また、本文中に改行や半角スペースを直接入れることはできません。
入れたい場合は次のように記述します。
半角スペースは %20
改行は %0d%0a
ところで、項目の区切りに?と&が使われていますが、ざっとネットサーフィンをしたところでは詳細はわかりませんでした。
手元で実験した結果、項目が2つ以上になる場合、最初の区切りを?、それ以降の区切りを&にした場合に、想定通りの動作をしました。
[宛先のメールアドレス]だけの場合
mailto:[メアド]
[宛先のメールアドレス]と[件名]の場合
mailto:[メアド]?subject=[件名]
[宛先のメールアドレス]と[件名]と[本文]の場合
mailto:[メアド]?subject=[件名]&body=[本文]
5つの項目すべての場合は、先ほど記載したとおりです。
以上が、Webサイトにメールのリンクを記述する方法でした。
しかし現在は、Webサイトを巡回して、直接記載されたメールアドレスや、上記の方法で記述されている(画面上には表示されていない)メールアドレスを自動的に収集してまわる(一般的に悪質な)プログラム(bot:ボットとも言う)が存在しており、日々の迷惑メール送信のために活用されていることから、Webサイトにメールアドレスをあまり記載しない風潮が広がっています。
小技
さて、それではメールのハイパーリンクの記述方法が、
例えば定期報告書のように、定期的に、同じ相手に、同じ文面のメールを送信する場合に、どのようにして活用されるのかと言うと、
答えは「ショートカット」の利用にあります。
いわゆるプログラム(アプリ)やマイドキュメントの中身の一つなどを、すぐに開くことができるようにデスクトップ上などに項目本体の代わりに配置したりする、アイコンの左下に(矢印マーク)が付いているアレのことです。
お客様にはあまり知られていませんが、実はショートカットは自由に記述して作ることができます。
ちなみに、既にあるファイルやフォルダのショートカットを任意の場所に作るには、対象のファイルやフォルダをマウスの右ボタンでドラッグして、任意の場所でボタンを離すと出てくる、オプションメニューの「ショートカットをここに作成」をクリックして作れます。
しかし、本題の場合には対象のファイルがありません。
このような場合は、必要に応じて任意の内容を記述してショートカットを作る作業が求められます。
作り方は、まずショートカットを配置したい(他のアイコンの無い)任意の場所を右クリックして、コンテキストメニューの「新規作成」から「ショートカット」を選択します。
ショートカットの作成
画面内の説明:このウィザードを使用すると、(中略)またはインターネット アドレスへのショートカットを作成できます。
と記載されている通り、パソコン内のファイルやフォルダに限らず、インターネット アドレス即ちWebサイトのアドレスを直接記入してもいいのです。
さらには、Webサイトのアドレスに限らず、記入しても機能するアンカータグ<A>のHREF要素に相当する内容もあります。(mailtoとか)
つまり記入欄にmailto以下の構文を書けばいいのです。
例では mailto:address@example.com?subject=件名&body=本文 と書きます。
例で使用したパソコンにはMicrosoft Office 2019が導入されており、
Windowsの設定「既定のアプリ」で、「Outlook」が既定となっています。
構文に間違いがなければ、作成したショートカットをダブルクリックすると、メールソフトが起動して、記述した内容が各項目に記入された新規メール画面が表示されます。