IntelのiシリーズとAMDのRyzenシリーズどちらがいいの?

パソコンのカタログを見るとIntelとAMDのCPU
どちらの商品もあるのが当たり前になってきました。

さて、そうなるとどちらが良いのだろう?と
買い手は悩むことになります。

もしあなたがインターネットやメール、Office、年賀状
普通にパソコンを使うくらいなら、正直どちらでも構いません。
もうブランドと予算で決めてください。

これはスマホでもiphoneがいいのか
Androidがいいのかみたいなものです。
どっちのスマホでもインターネットします、メールします
LINEします、Youtube見ますって用途なら
どちらでも出来ますよね?

そうなると後は単純にブランドと予算が選考基準になります。

しかしスマホと違ってパソコンのCPUは馴染みがないため
多くの方はもう少し決める為の特徴が知りたいはずです。
以下でパソコンを買う時にIntelとAMD
どちらがいいかを解説していきます。

IntelとAMD選ぶ基準はどこにあるのか

CPUも日進月歩ですので、2~3年前の話ですら
もう古い情報になります。

この記事も数年後に読まれる可能性も考えて
比較対象を指定させて頂きます。

NECの2023年春モデルのカタログ7Pから
スタンダードノートPCで考えてみたいと思います。

NEC2023年春カタログ7P

NEC2023年春カタログ7P

この3機種、右側のN1535FAがi3-1215U[6コア/8スレッド]
真ん中のN1565FAがRyzen7 7730U[8コア/16スレッド]
左のN1570FAがi7-1255U[10コア/12スレッド]

ここでi3とRyzen7ならRyzen7の方が
スペックが高いことがわかるので悩む要素は少ないです。
単純にスペックが高いものが欲しいかどうか、これ一点。
あとは予算で考えてください。

悩むのが同等クラスのRyzen7 7730Uとi7-1255Uです。

パソコンに求めるものは何?

ここでは一歩踏み込んでゲーム性能を求めるか
クリエイティブ性能を求めるかで考えます。

一般向けノートPCならゲーム性能は正直考えの範囲外で良いです。
ゲーマーならゲーミングノートPCか
グラボが搭載できるデスクトップを買いますから。

あえて比較するならば、この2機種なら内蔵グラフィックは
Ryzenの方が上です。
IntelもインテルIris Xeグラフィックスは
普通のインテルグラフィックスより性能が向上しています。
それでもこの2機種の内蔵グラフィックスを比べると
Ryzenの方が性能として高めです。

これが今回番外のNECスタンダードの最高位1585EAになると
Arc A350Mとうインテルグラボを搭載しているので
1585EAの方が性能が高くなります。
ただゲーム目的としては非力な部類になるので
ゲームがしたいならちゃんとゲーミング環境を整えた方が良いでしょう。

クリエイティブ性能を求める場合

これが非常に悩ましい。
なぜならRyzen7 7730Uとi7-1255Uは
もうほとんど性能差がないからです。
むしろスコア的には動画エンコードも画像編集も
Ryzen7 7730Uの方がちょっと上回ってるくらいです。

これが更に一つ上位の1575EAに搭載されている
i7-1260PならRyzen7 7730Uよりスコアが上回るのも増えるので
性能が良い物が欲しければ
i7-1260Pを選んでくださいでいいのですが…

もしくはi7が第13世代1355Uなら
Ryzen7 7730Uよりスコアを上回る結果になったりするので
Intelを選んでもいいですねとなります。
これが今回比較をカタログで絞らせてもらった理由です。
このカタログでは13世代CPUの話を持ち出さなくていいので。
今の競争CPUの世界はとても進歩が早く
IntelだからRyzenだからとステレオタイプな事を言えないのです。

あとはN1565FAとN1570FAでバッテリー駆動時間を比べると
i7は7.8時間、Ryzen7は13.3時間のカタログスペックです。
メーカーの試験でこの結果ということは
Ryzenの方が消費電力が低いということになります。

IntelにはIntelの利点もあります。
そしてAMDにもAMDの利点があります。

ただ、これからこの記事の説明は現時点での特徴と考えてください。
このステレオタイプの話も数年後には変わる可能性もあるので。

Intelの利点

Intelは何より昔から有名でシェアを獲得した過去があり
あらゆるソフトがIntelのCPUを基準に開発されてきました。

今ではソフト開発側もAMDのCPUの事を考えていると思いますが
多くのソフトはIntelで最適化されていることが多いです。

ゲームなんかでもAMDのCPUだと
パフォーマンスが低下する話もたまにあったりするので
ソフトウェアの最適化という面では
とりあえずIntelを選んでおけば良いかもしれません。

あとはシングルコアの性能がAMDのRyzenに比べて
高い傾向にあり、色々なプログラムを同時に動かさないのであれば
シングルコア性能でIntelが有利になることもあります。

これもソフトウェアによっては
マルチコアをあまり使わないような作りになっているソフトだと
シングル性能の高さが有利になります。

一般ユーザーの人はOfficeを使う、ネットする、メールする、年賀状作りなど
さほど複雑な使い方をしていないので
シングルコア性能が高く、ソフトの最適化が進んでいるIntelの方が安定感があるかもしれません。

NECの法人向けMate&VersaProを見れば
ノートのVersaProは一部Ryzen選択種もありますが大半がIntel
特にMateは選択できるのがIntelばかりです。(執筆時点では)

もちろんAMDも法人向けシェアが伸びてはいますが
NECに限ってはビジネス用デスクトップはIntelを採用しています。
業務で使われるアプリケーションは昔に買って古かったり
世界的ではなくローカルな企業が開発することもあるので
そうして開発されたソフトウェアを使う場合
不具合を起こさない為には開発環境が一番想定している
IntelCPUの方が安定しているということでしょう。

そして何よりブランド力がAMDより高いです。
お茶の間でIntel入ってると
多くの方が耳にしたことがあるメーカーでしょう。

AMDの利点

AMDの利点も個別に書き出しておきます。

Ryzenなどはシングルコア性能はIntelより低めの傾向がありますが
マルチコア性能が高いです。

これはスレッド数がIntelよりAMDの方が多いからです。
スレッド数は同時に実行できるプログラムの数です。

今回比較したi7-1255U[10コア/12スレッド]は12スレッド
Ryzen7 7730U[8コア/16スレッド]は16スレッド

簡単に考えればRyzen 7730Uの方が
16プログラム同時実行できるということです。

Intelのスレッド数が低い理由として
実はパフォーマンスコアと呼ばれるPコアが2つしかありません。
1コア2スレッド処理ができるのは、この2つのPコアだけです。
残りの8コアは省エネ作業用コアみたいなものでEコアと言います。
だから10コアの倍の20スレッドではなく
メインPコア2の倍の4スレッド+8Eコアの8スレッドで
合計12スレッドということです。
これはエンジンを休ませる為に
二次電池を備えたハイブリッド自動車のように
メインPコアを使うまでもない作業はEコアがするハイブリッドコアです。

Ryzenは1コア2スレッド処理ができるので
単純に8コアの倍である16スレッドになるわけです。
そのためマルチコア性能はRyzen7 7730Uの方が有利です。

動画のエンコードなどでマルチコア性能が生きますし
色々な作業を同時並行するのであれば
メインコアの多い傾向にあるAMDの強みと言えます。

プロ棋士の藤井聡太氏が愛用するPCがRyzenなのは有名ですが
これは将棋AIも先を見越して色々な手を考えるため
並列して演算できるコア数が多いCPUの方が処理が速いからです。

どちらを選べばいいのか?

Intelはこう、Ryzenはこうというステレオタイプな話は
もう今の時代で通用しません。

Intelがあぐらをかいていた時代が終わり
RyzenによるAMDの猛攻が始まり
Intelもシェアを奪われないように怠ける事をやめました。
お互いがしのぎを削る競争社会です。

Core i7でもRyzen 7でも比較する世代が1つ変われば
当然ながら結果も変わります。
それくらい競争しているのです。

なので今回はNECの2023年春カタログから
特定の機種を比較させていただきました。

IntelとRyzenどちらを買えば良いのかという答えに関してですが
もし、Intel一強時代に開発されたソフトウェアを仕事で使う場合
これはよほどのことがない限りIntelを選ぶといいでしょう。
Intel向けに開発して不具合が出なくても
Ryzenだと挙動が異なり動かなくなる可能性もあるからです。
大手の開発ならば今はもうAMDも想定していると思いますが
ローカルな開発だとそうじゃない可能性もあります。

仕事で使わない用途で、同時に動かすプログラムが多ければ
Ryzenを選んでもいいかもしれません。

使えたら何でも良い一般的な使い方しかしないよって方は
12スレッドだろうが16スレッドだろうが変わらないと思うので
単純にブランドと予算で決めてください。

スバルのシフォンよりダイハツのタントの方が馴染みがあるみたいに
Intelに耳馴染みがあるというのでしたら
そんな感覚で選んでも問題ありません。

そして重要な予算に関して
今回比較した同ランク帯のPC-N1565FAとPC-N1570FAだと
グレード的には1570FAの方がお値段が上です。

N1570FAは標準でメモリ16GBで出荷されているので
わざわざメモリを足す必要はありません。
(MAX32GBにしたければ話は別ですが)

N1565FAはメモリ16GBにしたければ
4GB2本でスロットが埋まっているので
8GBを2本買って入れ替えないといけません。

増設できるのでそこまで深刻に考える必要はありませんが
もし、自分で増設しないといけない買い方をした場合
わからないという方は、最初から16GB搭載を選ぶ理由の一つになります。

結 論

現段階でステレオタイプの話をするならば
同ランク帯でのIntel CoreとAMD Ryzenの違いは
シングルコア性能とソフトウェア最適化でIntel Core
スレッド数によるマルチコア性能ならAMD Ryzen
で考えると良いかもしれません。
用途が明確になっている方なら選ぶ基準としては十分です。

スマホもAppleでしか使えないAirDropが使いたいならiphone
ストアにないアプリをインストールしたいならandroid
目的が明確なら判断基準がしっかりしています。

パソコンもスマホも特にコレといった目的がない方は
再三言っていますが、ブランドと予算で決めてください。

どのスマホ買ってもLINEしたりインスタしたりYoutube見れます。
どのパソコンを買ってもネットサーフィンしたりメールしたりYoutube見れます。

スマホで特に目的はないけれど、Appleが好きな人は
高くてもiphoneを買うのと同じ
ブランドに拘りがなくて安いのが良い人はandroidが選択肢になる

今回比較したパソコンの機種で言うなら
スマホと違って外観デザインは同じですし
Intelが良ければちょっと値段上がってもN1570FAを選ぶ
拘りがなくてちょっとでも安いのが良ければN1565FAも選べる
その程度のものです。

判断基準はお客様のブランド価値観と予算で決まります。

もし自分が今回比較したNEC商品の説明をする場合であれば
どちらを売りたいかで紹介の仕方が変わるでしょう。

N1570FAを販売したいと思ったのならば
Intelって聞いたことないですか?有名ですよね。
こちらはシングルコア性能が高いくソフトウェア最適化が進んでいるので
単一のソフトをメインで作業するならオススメですと言います。
Ryzenを意図的に下げるならば
Intelより1コアあたりの周波数が低くいと付け加えるかもしれません。

対してN1565FAを販売したいと思ったのならば
スレッド数が多く同時に実行できるプログラムの数が多いので
複数のアプリを同時実行するならマルチコア性能が高いこちらがオススメというでしょう。
IntelのN1570FAを下げるならば、10コアありますが
そのうちパフォーマンスコアが2つしかなく
Ryzenよりスレッド数が少なくなっていると付け加えるかもしれません。

一般的な用途で使うのであれば
正直どちらを買っても
CPUの違いを実感するほど差はないと思います。

なのでブランドにも拘りがなく
予算もどちらでも良い人が迷った時には
どちらを魅力的に紹介するかで
背中を押す方向が決まると思います。

もしよければ今回の記事を読んで、N1570FAとN1565FA
どちらを買いたくなったか考えてみてください。
この記事では両方の特徴を紹介したので
結局判断がつかないかもしれませんね。

なので、この記事を読まれた方がいたとすれば
迷ってください。その上で決断ができたのなら
あなたの中で判断基準ができたということになります。
同スペックの商品で値段に差があった場合に
ブランドを取るのか、予算で考えるかの自己基準が確立できるはずです。