現在主流のM.2 SSDについて解説!

SSDの種類が沢山あって
最近はメーカーのカタログを見ても
SSD 約256GB(PCIe)と書いてあったり

何がなんだかわからないという方もいると思います。
とはいえ今までのHDDの知識がある方なら
置き換えるだけで簡単に理解できるようになっています。

PCIeとはM.2ってなに?

まずメーカーのカタログにある

SSD◯◯GB(PCIe)について解説します。

PCIeはデスクトップパソコンで拡張ボードや
グラフィックボードを増設する方ならわかると思います。

ただ、ここではそうしたことがわからない方が見ていると思うので
わかりやすさ重視にしていきたいと思います。
(それでも最低限のPC知識は必要ですが…)

完全に理解している人が見ると
それそういう違うんじゃない?と思う所もあると思いますが
ご容赦ください。
では説明していきます。

まず「PCIe」と書いてあったら、それは「M.2」のことだと思ってください。
いやそもそもM.2がわからないんだけど?と思うので
M.2について大雑把に理解してもらおうと思います。

M.2は単純に記録装置の大きさを表すと思ってください。

ノートPCにデスクトップ用の3.5インチHDDは入らないですよね?
2.5インチのHDDを取り付けられる設計になっているからです。

でも最新のノートPCは2.5インチを取り付ける端子すら
備わっていないものがあります。
昔のノートPCにデスクトップ用の3.5インチが使えないように
今のノートPCに従来の2.5インチが使えないのです。
その代わりにM.2が使えるようになっています。

M.2は大きさを現す◯◯インチの代わりだと思ってください。

3.5インチと言えば大きいHDDを
2.5インチと言えば小さいHDDを思い浮かべたように
M.2と言えば薄い一枚の板を思い浮かべればいいだけです。

こう考えればM.2なにそれわからん!?から
M.2は大きさのことで
薄い板なんだな程度に思えるようになりましたか?

完全に知識の無い人なら
2.5インチ?3.5インチ?それすらワカランになりますが
今までの知識がある方なら、簡単に考えに組み込めるはずです。

M.2ならなんでも速い?そうとも限らない

先程はPCIeと言えばM.2と説明しましたが
M.2ならなんでも2.5インチSSDより速いか?
と言われたらそうではありません。

M.2は大きさを表していると言ったのもこれが理由で
2.5インチにもHDDとSSDがあって
同じ2.5インチでもHDDはSSDよりも遅かったのと同じです。

M.2でもかつてのHDDのように遅いものがあります。

だからこそメーカーは(PCIe)
つまり速いM.2ですよとカタログに書いているわけですね。

大昔のHDDの接続にはよくIDEと呼ばれる
パラレルATAが使われていました。
接続端子にピンが沢山並んでいたやつです。

IDEHDD
↑パラレルATA(IDE)のHDD

ピンが沢山のパラレルATAが使われなくなったのは
時代が求める速度に対して遅くなったからです。

HDD時代の後半からシリアルATAが登場しました。
こちらはSATAと呼ばれることが多いです。
パラレルATAよりも速いのでSATAが主流の時代へ。
SATAHDD
↑SATAのHDD

HDD時代後半から登場したSATAは
SSDになってからも同じ接続端子でした。
(SATA3のようにバージョンは進化して行きましたが)

そのSATAもパラレルATAのように世代交代する時が来たのです。

それがPCIeの通信規格です。

パラレルATA→SATA→PCIeの順に速くなると考えてもらうと
従来のパソコンの知識でも理解しやすいと思います。

M.2でも遅いものがあると言いましたね
これはM.2で通信規格がPCIeではなく、SATAのものがあるからです。
M.2SATA
↑こちらがSATAと書いてあるM.2

M.2PCIE↑そしてこちらはPCIeと書いてあるM.2

M.2はサイズを現す単語だと例えたのはコレが理由です。
2.5インチでもSSDではなくHDDがあったのと同じです。
デスクトップPCはSSDの時代になって
3.5インチを使わず2.5インチのSSDを使うようになりました。
仮にパソコンを速くしたくて新人にデスクトップPCの記録装置を
2.5インチに入れ替えておいてと伝えた時に
わかりました!と言って2.5インチの「HDD」を
取り付けられると困りますよね?

M.2も同じで、記録装置にM.2使ってって伝えると
わかりました!と言って「M.2 SATA」を取り付けられると
速度的にはM.2の意味がほぼなくなります。
本当は「M.2 PCIe」を取り付けて欲しかった。
こう考えると一気に理解しやすくなったのではないでしょうか?

M.2でもSATAであれば、理論値は約600MB/秒です。
PCIeのM.2なら理論値約3000MB/秒4000MB/秒以上になります。

M.2のSATAよりもM.2のPCIeの方が速い記録装置ということです。
M.2は必ずしもPCIeではないが
PCIeはほぼM.2であることから
メーカーカタログにはSSD ◯◯GB(PCIe)と書いているわけです。

NVMeって何なの?

M.2 SSDについてだいぶ理解が深まったと思いますが
M.2でNVMeというのを見かけることがあると思います。

M.2nvme↑こちらがNVMeのM.2

ここまで理解できた方なら難しくありません。

ある程度パソコンの知識がある方は
AHCIというのを聞いたことがあると思います。

通信規格SATAは論理インターフェイスがAHCIです。

対して通信規格PCIeの論理インターフェイスがNVMeとなります。

つまりNVMeはPCIeのことなんだなと思えばOKです。

M.2pcienvme
↑PCIeも書いているし、NVMeも書いてあるM.2

PCIe=NVMe
仮にメーカーのカタログにSSD ◯◯GB(PCIe)ではなく
SSD ◯◯GB(NVMe)と書いてあっても
PCIeと同じ速いM.2なんだなという意味は伝わるはずです。

今までのPC知識がある方ならM.2も難しくありません。
3.5インチから2.5インチのHDDが出たように
IDEからSATAのHDDが登場した時のように
HDDからSSDに移り変わった時のように考えればいいだけです。

まったく新しい概念が生まれたと考えるのではなく
今までの流れの中に新しいサイズ、速い規格を付け足すだけ。

むしろ今までのPC知識がある方ほど
簡単に理解できることでしょう。

NVMeならアプリの起動は速くなるのか?

M.2 SATAよりもM.2 PCIe(NVMe)の方が速いとお伝えしてきました。

ならPCIe(NVMe)の方が起動もサクサク速くなるぞ!と
思われるかもしれませんが…

実を言うとOSの起動などではそこまで影響しません。

これはOSが細かいファイルの集まりだからです。
不規則に色々なファイルを読み込むので
ランダムアクセスと呼ばれる速度が重要になります。
実はPCIe(NVMe)はランダムアクセスが得意ではないのです。

そのためOSの起動速度でHDDからSSDになったような
驚きの変化はありません。
↓こちらがHDD、SSD、M.2 NVMeの起動比較動画です。

そこまで劇的に変わらないのがおわかり頂けると思います。

ただ、こうした起動比較では大差ありませんが
ファイルのコピーは当然速いです。

実際にM.2 PCIe(NVMe)を使ってみると
なんだか速くなった気がするのは
ランダムアクセスは大差なくても
連続的なシーケンシャルアクセスに
絶対的な差が存在するからです。

そこの体感で速く感じるのかもしれません。
我々は特に設定でデータ移行などを行うので

写真や動画の編集をされる方でコピーをする場合は
当然PCIe(NVMe)の方が速いです。

ランダムアクセスに差はほとんどないが
シーケンシャルアクセスには差が出るので
そうした微差を体感できる場面の積み重ねが
体感的に速くなったと思える要因になります。

アプリの起動時間という一部だけ見ると変わりませんが
PCは起動して終わりではなく
起動したからには使う目的があるはずです。

そうした作業をしていると
体感速くなった気がするのを
何となく感じられる時が来ます。

メーカー製PCは新しいカタログを見ると
もうほとんどPCIeのSSDに変わっています。
SATAのSSD搭載PCを買いたくても
買えなくなる時もそう遠くはないかもしれませんね。

これも歴史は繰り返すです。
SSDが登場してもHDDが安いから
かつてメーカーPCはHDDを搭載して売っていました。
今ではSSDの値段も落ち着いたので、SSDが使われるようになりました。

SATAの利点はPCIeよりも安価なことです。
ですがそれも昔、今では悩むような価格差ではなくなってきました。
だからこそメーカーもPCIeを搭載PCを販売しているのでしょう。

M.2 SSD(PCIe)はHDDからSSDになった時のように
驚くほど起動が速くなることはありませんが
連続的なシーケンシャルアクセスの時は確実に速いので
これからの主流なのは間違いないと思います。
最大転送速度の上限が今となっては低いSATAに
逆戻りすることはないでしょう。